5月特別企画 ナチュラルセット（Ethiopia yirgacheffe Cochare 100g、Guatemala punda 100g）
内容量：Ethiopia yirgacheffe Cochare 100g、Guatemala punda 100g
すべてスクリーン選別してサイズを揃えてご提供します。
テスト焙煎・カッピング情報、本焙煎情報
「美女と野獣」
今月はナチュラル月間として、近年流行しているNatural（非水洗式）精製の香味にスポットをあて、商品を選びました。
ブラジル、エチオピア、イエメンが古くからNatural（非水洗式）精製で生産する有名な産地です。
ここ数年、水洗式精製が主流の中米やタンザニアでもコーヒーがナチュラル精製で生産され、市場に出回るようになってきました。
この流行の理由は、「珈琲の甘さ」です。
コーヒーの精製方法には、水洗式（Washed）と非水洗式（Natural）に大別されます。
非水洗式（Natural）は、収穫したコーヒーの実をそのまま乾燥させる方法です。
水洗式（Washed）は、コーヒーの実の果肉部分（種子の外側部分）を剥ぎ取り、種子を取り出します。
取り出した種子にはミューシレージというネバネバした粘液質が付いているため、
水洗いでミューシレージを除去してから乾燥させます。
ナチュラルは水分を多く含む果肉部分が付いた状態で乾燥させため、 乾燥に時間がかかる上、
乾燥時に発酵しやすく、結果、発酵豆等の欠点豆が混入する傾向にあります。
欠点豆を含んだ珈琲は雑味が多くなるため、水洗式の珈琲よりナチュラルの珈琲は低く評価されてきました。
ですが、種子の周りのネバネバしたミューシレージが珈琲の甘さを作り出すことから、
昨今、ナチュラルの珈琲は再評価されてきています。
コスタリカを初めとした中米の珈琲は水洗式精製でクリーンカップ、酸味・甘味・苦味のバランスが良く飲みやすいのが特徴ですが、
特質した香味の特徴がなく、新たな香味を求めて、ナチュラルの甘さに着目したのです。
コスタリカのハニー精製、ドミニカのワイニーなど、正統なナチュラル精製ではないですが、
ナチュラルのフレーバーを取り入れようとする象徴的な動きです。
中米が中心に始まったナチュラル精製の再評価は中米だけに留まらず、世界規模になりつつあります。
ニューヨーク市場でマイルド・アラビカに分類されるアフリカのタンザニアでもナチュラルのコーヒーが生産され、
スマトラ式精製が主流のインドネシアでもハニープロセスのコーヒーが生産されるようになってきてます。
この流れは、しばらく続きそうです。
そんなナチュラル精製としてはニューウェーブとも言える生産国の珈琲をご紹介したく特別企画として販売することにしました。
ナチュラル精製の珈琲は独特の香味があり、好みが分かれます。
果肉が付いた状態で乾燥するため、発酵しやすい分、品質が低いと発酵臭や雑味が酷い珈琲になってしまいます。
ただ、果物も腐りかけが最も甘かったりするのと同様で、品質が高い物は高級な蒸留酒のような芳醇な香りや
完熟果実のような甘さが印象的な珈琲になります。
そこで、品質が高くクリーンカップであり、香味が対照的な生豆を厳選しました。
1つは、水洗式精製が主流なグアテマラのプンダ。もう1つは、ナチュラル精製のメッカであるエチオピアで
唯一水洗式精製を行うイリガチェフ地区のコチャレ。
プンダは、アーモンドキャラメルのような甘さが特徴です。
クリーンカップなのにナチュラル精製特有のフレーバーは強く、深煎りにしても消えない。
野性的な印象です。
一方、コチャレは、完熟果実のような甘さが特徴です。
香りはフローラルなのに芳醇で珈琲に上品さを与えています。
こちらも深煎りに耐えられるフレーバーの強さを持ってます。
気品あふれる珈琲です。
この2つの珈琲を飲み比べて感じたこと、それがタイトルの「美女と野獣」です。
そのくらい分かり易い違いがあります。是非、この違いをお楽しみくださいませ。
余談ですが、2つを飲み比べていた頃、「素顔のままで」という昔のドラマを観ていました。
カンナと優美子という2人の対照的な女性が登場するドラマです。
この2つの珈琲と登場人物が似てるなと思いながら観てました。