11月Superb ケニアセットのテスト焙煎・カッピング情報



10/23~24、テスト焙煎をしました。
キアンディーノAAとカングヌAAをテスト焙煎しました。
キアンディーノAAは、深煎りとして4種類(焙煎終了温度:226℃[蒸気多め]、226℃[蒸気少なめ]、228℃、230℃)、
カンヌグAAは、浅煎りとして4種類(焙煎終了温度:214℃、216℃、218℃、220℃)をテスト焙煎しました。
 
10/25、カッピング・松屋式による試飲を行いました。キアンディーノAAは、深めの焙煎のため、カッピングによる評価は行いませんでした。
(テスト焙煎、試飲の詳細は、以下のとおり)
 
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キアンディーノAA
スモーキーな香が深煎りであると実感する。
当たり前のことだが、焙煎度合いが深くなれば、よりスモーキーさが増す。
ドライでは黒糖のシロップのようにさらりとしていてコクがある甘い香が拡がります。
チョコレートのような重さを感じる甘苦さではなく、キャラメルのような焦がした芳ばしさと
重すぎない甘さが上品です。
煎りが深くなったことで抑えられた酸味が喉越しに感じる。
豊かなボディとまろっとした触感はまさにバタリー。
完全に冷めるとブランデーのような芳醇な香が漂い、高級感な溢れる珈琲に様変わりします。
 

松屋式による試飲
焙煎終了温度:226℃[蒸気多]と焙煎終了温度:226℃[蒸気少]
勿論、酸味が最も強いが、特質すべきは香味の強さ。
蒸気量が多い方が香が強く、味が濃い。
冷めると甘さが増してくるのが特徴。
 

焙煎終了温度:228℃
ここからスモーク臭が強く感じられるようになる。
焙煎が進むにつれ、苦さが増し、香味に幅がなくなり、平たい珈琲へと
時間とともに近づく。
特質すべきは、冷めた時の印象が、この焙煎度合い以降、酸味が増すように感じる。
 

焙煎終了温度:230℃
完全に深煎り珈琲の印象。
苦さは強くなったが、焙煎を改良して、すっきりとした喉越しに仕上がった。
甘さも感じるが、珈琲に香味の幅が少し狭くなり、焙煎終了温度:228℃より平たくなった。
 

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カングヌAA
パッションフルーツような甘酸っぱい香。
珈琲を口に運ぶと甘い香が鼻をくすぐり、口にすると甘さの中に澄んだ酸味が煌めきます。
珈琲なのに、フルーツ感に富み、レッドカラントのジュースを飲んでいるかのようです。
キアンディーノが昔ながらの珈琲ならば、こちらは珈琲ではないと感じる方もいると思います。
そんな固定概念を覆すほど、果実感溢れる珈琲です。
今回は、ジューシーさを感じられる珈琲で仕上げます。
今回、カッピングと松屋式による香味チェックを行いましたが、カッピングという香味チェックは
あくまで生豆が持つキャラクターを判断する位置づけにすることにしました。
テスト焙煎後の香味チェックは、松屋式ドリップによる試飲のみにします。
実際にお客様が飲めれる珈琲を想定して、香味チェックを行います。
抽出方法も様々ありますが、当店が推奨する抽出方法は、松屋式ドリップですから、
テスト焙煎の香味チェックは松屋式ドリップのみと致します。
 

カッピング・松屋式による試飲
焙煎終了温度:211℃
最も香が綺麗に出ていた珈琲。
カッピングを香味チェックに使用しないことを決めたことに大きく起因する。
カッピングでは最も評価が高くなるコーヒーであるが、審査基準と実際にドリップして試飲する味覚とでは
大きな隔たりがある。
カッピングでも渋味を感じるが、ドリップするとそれが顕著になる。
カッピングでは甘くてフルーツ感や酸味も綺麗に出ていたが、実際にドリップすると非常に渋味を感じる。
焙煎終了温度:216℃[A] 、216℃[B]
カッピングでは、甘酸っぱいフルーツ感が感じられる。
216℃[A]は、煎り止前の火力を強くした物。
216℃[B]は、予熱を強くした物。
松屋式による試飲では、216℃[A]は、渋味を強く感じる。216℃[B]は、Aより甘さが強く非常に果実感が溢れている。
焙煎終了温度:218℃
カッピングでは、微かにスモークを感じる。甘さは黒糖のようで甘さの質も少し変化し始めているように感じる。
但し、フルーツ感がなったくない訳ではなく、フルーツ感を感じる限界と判断した。
松屋式ドリップでも同様の結果となった。
焙煎終了温度:220℃
カッピングで、ここから香が完全にスモーク臭となる。
カッピングで液体をすすると苦さを強く感じるため、その他の香味を取りにくくなる。
松屋式では、珈琲らしさを感じる珈琲であった。
キアンディーノと対象的なフルーツ感溢れる香味をテーマにしなければ、最も美味しい。
珈琲からは強すぎない酸味が心地良く、バランスの取れた珈琲である。
焙煎終了温度:223℃
カッピングでは、完全にスモーク臭と苦さが強くて、評価対象外。
松屋式では、焙煎終了温度:220℃より酸味が弱くなり、飲みやすいが珈琲として、
香味が単調になってきたように感じた。

 

テスト焙煎
キアンディーノAA
水分量:9.7%

焙煎終了時の本体温度(℃) 焙煎時間
226.3 17:19
226.4 17:14
228.1 17:38
230.1 17:42

 
カングヌAA
水分量:9.6%

焙煎終了時の本体温度(℃) 焙煎時間
211.7 15:21
215.9[A] 15:28
216.1[B] 15:44
218.0 15:48
220.0 16:10
223.1 16:59

 

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